観光本で見たローマ街道のマイルストーン(一里塚)に似ている石柱を見つけた。ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂からコロッセオ駅に向かう途中で見かけたもので、てっきり歴史的なものかと思ってカメラに収めておいたものだ。
このブログを書くために何か読み取れないかと写真を子細に視ると、最初にローマ数字が刻まれているのに気付いた。
OTTOBRE MCMXXXII
と読める。調べてみるとローマ数字部分は1932を意味するようだ。1932年つまり1932年10月と刻まれている。修復された年なのかレプリカを置いた年なのか。
と思いながら、よくよく見ると、
・・・RIO EMANVELE III
・・・ITO MUSSOLINI
・・・GOVERNO
の文字が読める。ヴィットーリオ・エマヌエーレ三世、ムッソリーニ、政府という意味であろう。どうやらムッソリーニ政権時代のものらしい。
さらにこれらのキーワードをもとに検索してみると、Wikipediaに興味深い記述を見つけた。
1932年10月28日、ローマ進軍十周年を記念して国内のモダニズム芸術家による協力の下にファシスト革命記念展が盛大に開催され、翌年の記念日には首都ローマにヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂からコロッセウムまでを繋げた大通りである皇帝街道を開通させた。(Wikipediaより引用。)
なるほど、我々はまさしくヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂からコロッセオを目指して歩いてきたわけであるから、ここはその皇帝街道だったのだろう。そう思ってよく見ると、
VIA DELL' IMPERO
の文字も読み取れる。まさに皇帝街道と刻まれていたわけだ。イタリア語では「Via dei Fori Imperiali」と呼ばれている道だ。さらに下方には、
ERA FASCISTA
とあるから、ファシスト政権時代にという意味であろう。あるいは前述のWikipediaの記事にあるファシスト革命記念展にかかわる記述なのかもしれない。
古代のマイルストーンかと思えば、違う意味で興味深い石碑であった。
そのすぐそばに、ユリウス・カエサルの銅像が建っていた。こちらの由来は判らなかったが、おそらくレプリカだろうと思う。
ともかく、ローマでこういう風景に合うとちょっと得した気分になれる。
台座の文字をたどると、
S P Q R
C IVLIO CAESARI
(三行目は判別不能)
と書かれている(ように見える)から、ユリウス・カエサルの像であることは間違いないだろう。
騎馬警察。現代社会で馬に乗って巡視する意味があるのか少々疑問があるが、観光客としては風情があって嬉しくなる。
この後、我々はコロッセオから地下鉄に乗り、テルミニ駅近くのホテルへ戻った。
ローマ滞在も余すところ二日である。最後の日は午後には帰国の途に着くので、丸々一日使えるのは、後一日だけとなった。
2017年1月イタリア旅行へ
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