ティトゥス帝の凱旋門はフォロ・ロマーノの入口にある。だからフォロ・ロマーノと一緒に紹介しても良いのだが、掲載したい写真が多いので独立したページを用意することにした。
簡素にして均整がとれた凱旋門のシルエットは非常に美しい。柵で閉鎖された凱旋門が多い中で、ここは凱旋門をくぐることができる。
碑文の文字は次のとおりだ。
SENATVS
POPVLVSQVEROMANVS
DIVOTITODIVIVESPASIANIF
VESPASIANOAVGVSTO
初めの二行は、現代のローマ市も使用しているSPQRを略さずに記載したものだ。「元老院並びにローマ市民」という意味になる。(何故現代ローマ市がこの称号を使用しているのかは謎であるが。)
DIVO、DIVIは神聖なる、神々しいという意味。TITOはティトゥス、VESPASIANIはウェスパシアヌス。FはFILIO(息子)の略のようだ。AVGVSTOはアウグストゥスの後継者、すなわち皇帝のことである。ちなみに古代のVの字は現代のUに相当する。「ウ」と読めばよい。
以上をまとめると、碑文の意味は、
元老院並びにローマ市民より神聖なるヴェスパシアヌスの子にして神聖なるティトゥス・ウェスパシアヌス帝に捧ぐ
という意味になる。(ということで良いのだろうか?)
凱旋門の内側には、ローマ軍団兵がユダヤ教の象徴、七枝の燭台を戦利品として運び出す場面が刻まれている。エルサレム攻囲戦の非常に有名な場面である。この後、ユダヤ人は本拠地を失い流浪の民となる。
この凱旋門はティトゥス帝の死後、そのエルサレム攻囲戦の勝利を記念して創られたものである。
さて、凱旋門一つにかかずらわっている余裕はない。我々はこれよりパラティーノの丘を経てフォロ・ロマーノへ向う。
2017年1月ローマ旅行へ
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