2012年4月11日水曜日

【サンタ・マリア・イン・コスメディン教会(真実の口)】(イタリア・ローマ)

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会というよりも、「真実の口のある教会」と言った方がとおりが良いだろう。

我々も、教会ではなく真実の口を見に行ったのである。






実際に、我々がこの地を訪れた時も、真実の口に手を入れた姿を写真に収めるためのカップルが行列を作っていたけれども、肝腎の教会の中は閑古鳥の啼くような状況であった。

行列の前には土産物屋があり、真実の口を模したピンバッジなどを販売していた。その時は、我等夫婦のどちらも特に欲しいとは思わなかったピンバッジなのだが、日本に帰ってから二人で「やっぱり買っておけばよかったね」と言い交わしたものである。現地ではくだらないものと目に映ったのだが、日本に帰ってから欲しくなってしまい、買っておけばよかったと後悔したのである。

真実の口は、ローマ時代のマンホールの蓋であったとの説が一般的だ。海神の姿が彫刻されているとされている。マンホールにしてはなかなか立派である。こんな素晴らしいマンホールを使用しているとは、古代ローマはなかなか贅沢な社会であったらしい。






この教会は、身廊の両側に側廊が位置する一般的なバシリカ様式だ。屋根は木造のトラス。古典的な構造である。

この教会は、東方で行われた聖像破壊運動から逃れてきたギリシア人に与えられた、という歴史を持っている。そのためか、東方教会でよく見るような、モザイク画を嵌め込んだ額が飾られていた。
聖像破壊運動とは、聖書にある「偶像を崇拝してはならない」との教えを文字通りに受け取った結果に起こった宗教運動であった。つまり、このモザイク画にあるようなイコン(聖像)を否定し、それを破壊しようとする活動であったのだ。

この教会の周辺は古代のフォルムの跡であって、ジアーノ門とか、ヘラクレス・ウィクトール神殿とか、壊れた橋とかの遺跡がたくさん残っているから、観光の目的地の一つに加えてみるのも良いだろう。

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