ナヴォーナ広場に面して存在するのがサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会(Chiesa di Sant'Agnese in Agone)だ。前回の旅行では教会内部に入ってみることはしなかった場所である。
この教会も内部は非常に壮麗である。ローマの教会はどこも内部はきず一つなく清らかで美しいのは驚くべきことである。これだけ多数の教会を新品同様に維持するためには、膨大な費用が必要だと思われるからだ。
このブログを書くために調べて初めて判ったことだが、サンタニェーゼとは聖アグネスのことである。聖アグネスはローマの名門の生まれで非常な美人であったが、執政官の息子からの求婚を断り、その後にキリスト教徒であると告発され、棄教を受け入れることなく殉教した人物であるという。
ローマのキリスト教会をめぐると、あちこちで処刑と殉教の物語に触れることになる。殉教は崇高な行為であって、処刑された少女は聖人となり、我々の救いのとりなしをしてくれる存在となったのだろう。が、できれば少女の殉教の話は聞きたくなかった。
この教会の名称に含まれるAgoneは苦しみを意味する言葉である。だからこの教会の名称は「苦悶の聖アグネス教会」という意味になる。
まだ聖アグネスの物語を知らない私たちにとっては、今日がローマ最後の夜となる。この後スペイン広場近くで夫婦でひとつずつバッグを買い、ホテルに荷物を置いてからいつもの店で食事をしてホテルへ戻った。
明日は、日本へ帰る日である。
2017年1月イタリア旅行へ