2017年2月26日日曜日

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラにのぼる(バチカン市国)


 サン・ピエトロ大聖堂は前回のイタリア旅行で訪れている。しかし、その時はツアーを利用して行ったので、バチカン美術館へ行くことも、クーポラにのぼることもできなかった。今回は自由旅行であるから、行きたいところへ行き、したいことができる。


 クーポラへのぼるには大聖堂の右横のクーポラ入口へ向かう。大聖堂は当然無料だが、クーポラへのぼるには費用が必要だ。途中までエレベーターで行く方法と、全て階段で登る方法がある。私達は勿論エレベーターの方を選択した。費用は一人8ユーロ。すべて階段で歩いて登る場合は、これより少し安かったはずだが、金額は記憶していない。


 エレベーターで登ったところは、大聖堂の屋根にあたる場所になるのだと思う。そこから飛び出ている部分がクーポラである。ここから先は誰もが自分の足で歩かなければならない。
 ちなみにこの場所には土産物店がある。我々はクーポラから降りてくるまで、その存在に気付くことができなかった。


 狭く、曲りくねった階段を随分長い距離登らないと頂上に到達することはできない。途中、手摺もなくロープにすがって登らねばならない場所もある。ちょっとした登山のようだ。


 途中でクーポラの内側の回廊のようなところに出る。ここからは、サン・ピエトロ大聖堂の内部を見下ろすことができる。ここには金網が張り巡らされていて、物を落したりすることができないようになっている。

クーポラ内部の階段

クーポラからの眺め

 ここでは360度周囲の景観を観ることができる。オフシーズンではあったが、多くの人がここで景色を楽しんでいた。

クーポラからサン・ピエトロ広場を見る

 この日は風が強く気温も低かったので、我々は寒さに震えながら景色を観ることになった。正直じっくりと堪能するというわけにはいかなかったが、貴重な経験になったと思っている。

 この後、階段を下り切ったところにある土産物店でガイドブックと土産を購入し、我々夫婦はこの後、サン・ピエトロ大聖堂の内部へ向った。


 2017年1月イタリア旅行へ


2017年2月23日木曜日

バチカン美術館 Musei Vaticani (バチカン市国)


 ローマ滞在三日目にバチカン市国を訪れた。

 朝一番で向ったのはバチカン美術館(Musei Vaticani)である。テルミニ駅から地下鉄A線に乗り、オッタビアーノ(Ottaviano)で下車し、グーグルマップの助けを借りながら、バチカン美術館に向かう。


 バチカン美術館はインターネットで事前に予約をすることができるが、予約するには入場料の他に費用がかかる。オフシーズンに予約は不要だと判断して、我々は予約なしでバチカン美術館に向った。
 チケットを持っていない我々は、列の右側に並ぶのだということは調べていたのだが、「Official Staff」という札を首から下げた人間が何やらうるさく話しかけてくる。結論から言おう。彼らは美術館のオフィシャル・スタッフではなく、「ガイドツアーのオフィシャルスタッフ」なので、はっきりと断って列に並ぶべきである。そもそも、私は英語は日常会話もおぼつかない程度、家内はまるっきり聞き取ることができないレベルである。我々夫婦は美術作品について英語で解説されても無意味なのだ。
 しかし、英語が半端に聞き取れる私は「オフィスでチケットを買え」と言っているらしいことが判ったので、チケットを持っていない人はどこか他の場所でチケットを購入する必要があるということを執拗に話しているのだと思い、その「オフィス」の入口までツアーの「Official Staff」について行ってしまった。彼らの言い値は一人50ユーロ。夫婦だと100ユーロにもなる。正規の入場料は一人16ユーロであるから、その異常に高いのに気付き、我々はそのオフィスを後にしてやっとバチカン美術館の列に並ぶことができた。

 貴重な時間を無駄にした上に、要らない知恵を絞って疲れてしまう。

 結局チケットを購入するために必要だった時間は15分程度であった。

豊穣と多産の女神アルテミス

 豊饒と多産の女神アルテミス。胴体にたくさんついているのは乳であるという説が有力だ。




ラファエロ作「聖体の論議」

ラファエロ作「アテネの学堂」

ラファエロ作「アテネの学堂」

 ここは丹念に見て回ると、一日かけても時間が足りない。見たいところを絞って、どんどん歩いて回る必要がある。
 我々が回った中では、システィーナ礼拝堂が写真撮影禁止だった他は、どこも基本的に写真撮影が許されていた。そのため「最後の審判」の写真は残っていない。

ラファエロ作「キリストの変容」

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「荒野の聖ヒエロニムス」

ミケランジェロのピエタ(レプリカ)

 ここにあるミケランジェロのピエタはレプリカ。本物はこれほど近くで見ることはできない。レプリカでも十分鑑賞に値する。


 有名な螺旋階段。いや螺旋形のスロープといったほうが正確だ。段にはなっていなかった。上りと下りは分離されていて、途中でかち合うことはないらしいが、今は上り用のスロープは使われていないようだ。傾斜が急で気を付けておりる必要がある。

 このスロープを降りて土産物店へ入る。最後にガイドブックを購入してバチカン美術館を後にした。

 この後我々は、カトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂に向かう。


 2017年1月イタリア旅行へ

2017年2月19日日曜日

サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂 Basilica di San Paolo fuori le mura(イタリア・ローマ)


 オスティア・アンティカからの帰りにサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Basilica di San Paolo fuori le mura)を訪れた。
 ローマはキリスト教世界の中心であった。そして今もローマ・カトリックの総本山がある。そのためだろうか、この街には教会が無数にある。ローマに一週間ほど滞在して、あちこち歩き回った者の感覚としては、教会を見ずに十分間歩くことは難しいのではないか、と思うほどだ。

 ローマにある無数の教会の中で最も代表的なものは言うまでもなくサン・ピエトロ大聖堂であるが、ここサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂もローマを代表する四大聖堂のひとつだ。

 ローマ四大聖堂は、
  • サン・ピエトロ大聖堂
  • サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
  • サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂
  • サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂
 である。私は今回のローマ滞在中にこのローマ四大聖堂をすべて回ることになる。

 これにサン・ロレンツォ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂を加えて五大聖堂ということもあるようだ。

 さて、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂である。





 この教会の名は、城壁の外にある聖パウロ大聖堂という意味である。城壁の外にあるということは、ローマの中心部からは遠いということだが、アクセスは比較的容易。テルミニ駅からは地下鉄B線一本でいくことができる。最寄駅はズバリ「Basilica San Paolo」。この区間は地下鉄とリード線とが並行して走っており、オスティア・アンティカからも乗り換えなしで行くことができる。
 駅からこの教会に向かうと、ちょうど教会の裏側に出るので、どんどん歩いて、正面を目指す。

 


聖パウロの墓


 この大聖堂は、コンスタンティヌス大帝が聖パウロの墓の上に建てたものだ。現在みられる建物は、1823年に火災で焼失し、その後再建されたものだが、聖パウロの墓所はきちんと見ることができるように整備されている。
 なお、イタリアで言うパオロとは聖パウロのことである。ピエトロはペテロあるいはペトロのこと。






 教会に入るのに費用は掛からないが、中庭に入るには、一人4ユーロ必要になる。ここには美しい中庭があるだけではなく、貴重な大理石の碑文が壁に埋め込まれる形で展示されている。
 ねじれた柱はいろいろな教会で目にすることができるが、この中庭で見られるそれは非常に美しい。

 せっかくここまで来て4ユーロを惜しむ必要はない。必ず中庭も見てから、他の観光地へ向かうべきだ。

 この日の観光はこれで終了。テルミニ駅地価のスーパーマーケット「コナド」でビールを買い込んでホテルに帰った。


 翌日は、バチカンへ向かう。


 2017年1月イタリア旅行へ


2017年2月9日木曜日

オスティア・アンティカ Ostia Antica(イタリア・ローマ)


 ローマ滞在二日目。最初に訪れたのは、オスティア・アンティカ(Ostia Antica)。ローマの中心部からは少し離れているが、一見の価値がある。ポンペイとどちらを選ぶか、と訊かれればやはりポンペイの方が素晴らしいと思うが、時間の制限があるようなら、オスティア・アンティカだけを訪れても十分満足できるだろう。

 アクセスは簡単だ。ローマのテルミニ駅からアクセスする場合は、地下鉄B線でピラミデ駅(Piramide)まで行き、そこでリード線(linea del Lido)に乗り換える。途中に改札もなく、乗り換えるべきプラット・フォームはすぐに見つけられる。


 落書きの多いリード線に乗り、オスティア・アンティカ駅で降りる。歩道橋を越えてしばらく歩くと入口に辿り着く。

 ここで、注意事項を一つ。なるべく早く地図を入手し、見たいところを絞って見物したほうが良い。私は見所がうまく見つけられず、ほとんど観終った後で売店で土産として地図を入手したのだが、これでは効率が悪い。私の場合は、チケット売り場では入場券を買うことで精一杯で、地図を物色することまで意識が回らなかったのだが、ここで地図が購入できるようであれば、迷わず購入するべきである。もし、ここで入手できなければ、遺跡の中心辺りに売店と食堂が並んでいるところがあるので、とりあえずそこまで歩き、地図を入手してのんびりコーヒーでも飲みながら、見所を物色し、しかる後に遺跡歩きを始めるのが賢い方法である。
 私は、広大な遺跡の中を闇雲に歩き回って無駄に歩数を稼いだ。この日の万歩計の記録は、28,715歩。ローマで過した一週間の最初の一日は、結局この旅行の間で最もたくさん歩いた日となったのである。

 さて、見所をいくつか紹介しよう。

ネプチューン浴場(TERME di NETTUNO)

 ネプチューン浴場には、床の装飾に素晴らしいモザイク画が存在するはずなのだが、見付けることが出来なかった。工事か何かのために、シートで隠されている場所があったのだが、恐らくそこに目当てのモザイク画があったのではないかと思う。


円形劇場(Teatro

円形劇場Teatro

円形劇場Teatro

円形劇場Teatro

 円形劇場。保存状態が良い。ローマ遺跡には付き物の施設である。先を急ごう。


同業組合広場(Piazzale delle Corporazioni)

同業組合広場(Piazzale delle Corporazioni)

同業組合広場(Piazzale delle Corporazioni)

同業組合広場(Piazzale delle Corporazioni)

 円形劇場のすぐ裏手に、同業組合広場(PIAZZA DELLE CORPORAZIONI)がある。オスティア・アンティカ最大の見所の一つだろう。ここは、多数の商店が軒を連ねていた場所で、各店舗前の床を飾るモザイクは看板の役目を果たしていたらしい。ここも、樹木の剪定作業のために、ビニールが敷かれており、肝腎のモザイク画を全て観ることはできなかった。


フォルムとカピトリウム(Forum - Capitolium)

大複合倉庫(Horrea Epagathiana et Epaphroditiana)

 英語のガイドブックから日本語を想像しているので、日本語表記に少々自信がない。ガイドブックの英語は「large warehouse complex」。「Epagathiana et Epaphroditiana」は二人の所有者の名前のようだ。これも保存状態が良く、非常に美しい。それとも復元か?


Caupona di Alexander e Helix


Caupona di Alexander e Helix


Caupona di Alexander e Helix


Caupona di Alexander e Helix

Caupona di Alexander e Helix


 床のモザイクに「ALEXANDER」と「HELIX」の文字が読み取れるために、この名で呼ばれている。はっきりとは解らないのだが、「Caupona」とはレストランとか居酒屋とかいう意味らしい。ここはモザイクの上を歩くことが出来てしまう。二千年前に作られたモザイク画の上をである。本当に歩いてよいのか疑問に感じつつも、真上からじっくり鑑賞させてもらった。マイナーな観光地ならでは、ということだろう。


マリーナ門の浴場(Terme di Porta Marina)

マリーナ門の浴場(Terme di Porta Marina)

マリーナ門の浴場(Terme di Porta Marina)

 マリーナ門(Porta Marina)とは港に面した門のことだと思うのだが、ポンペイ遺跡にも同盟の場所が存在する。古代オスティアはここのすぐそばが海岸線だったようだ。ローマ遺跡はどの浴場もモザイク画が素晴らしいのだが、ここも格別である。遺跡の入口からもっとも離れた場所にあるため、見逃すことのないように注意すべき場所である。


キューピッドとプシケの家の彫像

 彫像がオリジナルなのか、それともオリジナルが博物館に運ばれた後の模造品なのかは不明である。ギリシア神話に題材をとった作品だろう。しかし、不意に現れたこの彫像に覚えたある種の感動は、今も忘れることができない。


居酒屋のフレスコ画

 居酒屋のフレスコ画。メニューが表示されているという説が有力のようだ。


七賢人の浴場(Terme dei Sette Sapienti)

七賢人の浴場(Terme dei Sette Sapienti)

七賢人の浴場(Terme dei Sette Sapienti)

 床のモザイク画が美しい。こちらも何かの作業中で全体を見ることができなかった。1月はオフシーズンなのでいろいろな所が空いていてよいのだが、オフシーズンにマイナーな観光地に行くといろいろとメンテナンスが行われていて、鑑賞の妨げになることもあるようだ。


詳細不明の美しい床の装飾

詳細不明の美しい床の装飾

詳細不明の美しい床の装飾

 こちらは、どこで撮影したか不明な床の装飾。現代でもこのままで通用するデザインである。


ディアナの家(Caseggiato di Diana)

ディアナの家(Caseggiato di Diana)

 こちらは、ディアナの家。規模が大きく比較的往時の形状が良く残っている。集合住宅だったようだ。

 さて、以上でオスティア・アンティカの紹介を終りにする。

 ローマの中心部から1時間程度で到達できる素晴らしいローマ遺跡である。是非訪れてみるべき素晴らしい場所である。


 2017年1月イタリア旅行